2010年4月18日日曜日

Global MBA的: 企業のグローバル化の方法(その3)【理想の人材像】

4/18/2010(Sun) Global MBA@ThunderbirdMBAを活かせ

前々回からTV TOKYOの村上龍さんのカンブリア宮殿という番組を見ています。前々回のカレーの壱番屋の特集も大変興味深かったですが、前回の理想の人材育成は更に釘付け状態でした。私の周り(社内外含め)ではここまで熱心に、そして会社の将来と人材育成をしっかりとリンクして考えて、実行している人たち/会社達はなかなか見られないと思います。今回の特集では、マクドナルドABCマートUNIQLOニトリユニチャーム、そしてNISSANがでてきましたが、それぞれ個性のある人材育成方法でしたね。共通するのは、旧来式のマニュアルを中心とした教育ではなく、マンツーマンであったり、熱い厳しい教育方法がポイントでした。しかも、教えることは教えるんですが、最終的には自主性を持った従業員・社員へ鍛え上げる、という所が狙いのようでしたね。勝ち組企業の教育方法は、十二分に学ぶ点があると感じました。

マクドナルドでは、DSを使ったユニークな研修方法が挙げられていましたね。まだ調理をしたこともない従業員がDSを使ってシミュレーションをしながら接客から調理について学ぶことができる。そして、必要に応じて振り返り(復習)も、DSを使ってできる。其の後に、店長を始め先輩従業員がしっかりとフォローしてくれる。教育の熱心さでは、かなり有名なマクドナルドが新しい手法を使って教育を更にパワーアップさせてきています。

ABCマートでは、(原則)1年上の先輩がトレイナーとなってマンツーマンで教えるというスタイルでした。トレイナー・トレイにー制度は各社あるかと思いますが、入社した社員の1つ上の先輩がトレイナーになるのは珍しいのではないでしょうか。社長曰く、入って1年くらいの従業員の方がどこで苦労したかなどがまだ鮮明に残っているので、身近な相談者にもなれる、と説明していたと思います。そして、コミュニケーションノート(という名前だったか定かではないですが)を使って、トレイナーとトレイニー間のコミュニケーションも強化していました。

UNIQLOでは、入社して最短で半年で店長になることもあるとか。従業員も多いところで、数十人抱える店長で年商も数億円規模だとか。ポイントは、サラリーマンの育成ではなく、自営業者の育成という感覚だそうです。サラリーマンの時代はもう終わりで、自営業者を育てるという感覚のようです。全体を見て、指示待ちではなく、自分で決断して、行動をとることが重要なんですね。

ニトリ新入社員研修もかなり厳しそうでしたね。勝ち組企業に入社したからなのか、若干、緊張が解けたような新入社員を待ち抱えていたのは、厳しい新入社員研修でした。社長も如何に自主的に彼らが行動をとるかが重要だとおっしゃってました。それは、どこの企業にも共通することですが、多くの企業が悩んでいるところでもありますよね。

私自身この「自主性」というのは大問題だと考えています。特に日本人にとって、これはビジネス上の最大の壁ではないでしょうか。アメリカや欧米諸国(よく例に挙がるのはスイス)などは、幼少の頃から自主性を高める教育が活発ですよね。一方、日本の教育は1+1は何か?2です。というような、質問に対して正確に答える、もしくは、迅速に答えるというような教育が中心だったと思います。「自主的に」といわれてもなかなかピンと来ない人が多いのではないでしょうか。頭では意味こそは理解できるのですが、身体ではなかなか理解できないのです。

実は、これもね、、、、前回まで2回にわたって書いてきた、「グローバル化」の大きな壁でもあると思います。日本の社会は、自主性があまりなく、チームで、、、団体で、、、協調性が、、、という文化で今に至っているので、自分が自ら何かを提案する、、、率先してやる、、、ということは、まだ多くの人が苦手とする分野です。もしくは、できたとしても、周りを一度見た上で発言する・行動をとるので、其の分スピードが遅まります。其の分、競争力も失速する、とういことになるわけです。

計画性のない教育であったり、何となくといった教育方針であったらむしろやらないほうがよほど会社の(予算の)ためです。その会社の将来の人材(財)を賭けた教育方針をしっかりと練り、従業員が自主的に努力できるような教育を目指すべきではないでしょうか。私からすると多くの企業は社員研修といいながら、それが一体どれだけの投資対効果(ROI)を生んでいるのか、、、というと、多くはあまり効果が見込めていないと思います。

もしも会社が「真のグローバル化」を狙っているのであれば、語学力は勿論のこと、異文化対応能力、外国人と実際に仕事をする能力、交渉能力などを磨いていく必要がありますよね。中途半端にTOIECの勉強をやりましょう、、という生半可な進め方では何十年経っても「真のグローバル化」に到達することはできないと思います。其の前に、韓国や中国など近隣国が先に「グローバル化」に近づくのは間違いありません。

経営者の皆様、人事の皆様、、、、御社にとって人材育成は経営戦略の中においてはどれくらいの位置づけにあるのでしょうか?製品力、サービス力、技術力の前に、、、やはり、それを作る、提供する、研究する従業員のレベルがどれだけ高いかが重要ではないでしょうか。そして、従業員が自主性をもって、高いモチベーションを掲げて仕事に取り組むこと、、、これこそが最も求められることなのではないでしょうか?







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