2009年10月26日月曜日

Global MBA的 お薦めの本: 危機の経営 【その9】

10/26/2009(Mon) Global MBA@ThunderbirdMBAを活かせ

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こんばんは。もう夜中の2時です…。明日(あ、もう今日か…)は仕事なんで早く寝なくちゃなんですが、ちょっとばかり昼寝をしようと思ったら数時間も寝てしまったので、其の寝た分は他のやるべきことを済ませようとしていたらこんな時間になってしまいました。

でも、今日は有意義な一日でしたよ。会社の同僚から借りていた本をイッキに読み終えることができました。寝ている横では、等々力競技場で川崎フロンターレが広島と試合をやっていたようですが、スゴイ歓声だと思っていたら、今日はなんと7対0で圧勝し、首位になったとか!(頑張れフロンターレ!)

それはさておき、今日のお勧めの図書は、日本で仕事をしている方「全員」に読んで頂きたい本の1つです。

最近、会社の隣の方が「失敗学」「失敗学」といつも言っていて、「その畑村先生はスゴイ!」と口をすっぱくするくらい言っているのですが、その畑村さんが著者の一人でもある本当に勉強になる本です。実際には吉川さんのサムスンでの経験をベースに書かれている本ですが、畑村さんは各章末にコメントを残しています。

この図書を読んで感じたのは、Thunderbird Global MBAでの教えと少し似ている所があったところです。(まぁ実のところ、、、Thunderbirdの教授はコーポレートMBAというコースで韓国の大手グローバル企業に毎年グローバル経営を教えに行っているんですよね~)従来までの日本的経営は先進国では通用していたが、ビジネス自体が飽和状態になってくると、そこだけで戦っていくことはできなくなってきます。飯の種にはならいんです。ただ、日本はプロダクトアウトの商文化が続いてきたからなのでしょうかね、、、お客様志向と言いながら、結局はプロダクトアウト型のお客様志向なんですよね。素晴らしい製品を製造・生産することには長けていて、平均や富裕層レベルの人達にはMade in Japanは喜ばれます。品質=日本、という代名詞は殆どの先進国では思われているといっても過言ではないでしょう。しかし、お客様(ユーザ)が望むものが、120%の品質でなかった場合どうだろうか?新興国では、最上級の品質や徹底した効率より低コストの方を重視する人達がたくさんいるにも関わらず、日本の従来のやり方では、ニーズとシーズが合致しないですよね?!

これをサムスンは非常に上手い戦略を元に進めたわけであり、これが、世界一企業にまで這い上がることができたわけなのです。日本とは同じ戦略をとらないで、おそらく、マイケルポーターのファイブフォース分析などを使って、自分達の土俵を上手く見極めたんでしょう、とうい吉川さんの考察も書かれています。

他にいいなぁと思ったのは、例えば以下です。勿論、英語を習得することはコミュニケーション上とても重要ではありますが、「グローバル」にビジネスを展開するにはそれだけでは全く不十分なのです。これを理解できている幹部社員やトップはどれだけいるでしょうか?
「何よりも問題なのは、グローバル時代への備えに対する日本人の意識の低さです。それはたとえば、かいがいでの活動に際して、「英語を勉強すれば大丈夫」と安易に考えている人が多いことからも容易に伺えます。グローバル展開で求められるのは、国や地域によって異なる価値観や考え方を理解することです。それは英語を話せるようになっただけでは理解できるようなものではありません。ここで必要なのは、言語だけではなくその国の文化を理解した人材です。しかし、そのような人を育成するシステムは、いまの日本の教育機関にも企業にもありません。それでも、従来は、比較的価値観が似ている欧米が相手だったのえ何とかなりましたが、文化や価値観が全くことなる新興市場を相手にする場合はそうはいかないでしょう。(引用)」
もう1つ私がいいなぁと思った箇所を取り上げます:
どこの日本企業や古い企業でもあるようですが、変化に対して変わろうと思う人が少ないんですよね。確かに変化に際して自分達のやり方を変えていくことはそれなりのエネルギーが必要だし、場合によってはリスクもついてきますが、それでも、何もしないで放置しておくことがどれだけ会社のためになるでしょうか?
「やり方を変えずに従来の方法を続けるのは、人間にとって一番楽なことです。そのためまわりが黙っていると、多くの人は変わらずにそのまま済ませようとします。もちろん、周囲の状況は常に変化しているので、このような対処の仕方がいつもつうようすることはありません。それでも変わることを望まない多くの人達は、あれこれ理屈を考えながら状況が変化していることを認めようとしなかったり、変化を認めてもそのことに文句を言ったりしながら、自分が変わらないことを正当化しようとするのです(引用)」
この本で書かれてあることは、社員一人で実現できることではないと書かれています。それでも、私はこの本をトップだけでなく、社員にも是非読んで頂きたいと思います。強いトップのリーダーシップの下、社員が動くわけですが、一致団結して会社をより良い方向/ステップにもっていこうと思える社員が少しでも多く早い段階からいることで、改革がしやすくなりますし、改善効果もより早くでてくる可能性が高まると思います。

<1点だけ反対意見>
1点だけ、私が賛成しかねる内容がありました。それはブランドについてです。これも考え方が古いということになるのかもしれませんが、サムスンが新興国でお客様のニーズに合わせて従来までの「品質」と定義されてきたもののレベルを下げてでもお客様に提供してきたことを、例えば、高品質を売りにしていた日本企業がやると、ブランドイメージは崩れないのでしょうか?

極端な例ですが、BMWが新興国に進出したい場合は、サムスンの例で言うと、お客様のニーズに合わせて少し品質を下げてでもお客様のニーズに応える戦略をとる、となった場合、BMWという全体ブランドイメージが崩れていくように思えます。日本企業がBMWのような高級ブランドイメージがあるか?といわれると、ないかもしれませんが、その優れた「技術ブランドイメージ」は誇りに思っていますよね。そして、それがブランドの1つだと認識している場合、品質を下げて新興国でビジネスをやること自体、ブランド戦略に反しているのではないか?とちょっと思ってしまいました。トヨタとインドのタタ社のコンパクトカーについての記述もありましたが、トヨタがタタ社のようなレベルの低い車を製造・販売することが果たして良いことなのか?とちょっと考えてしまいます。今の技術レベルのまま、努力して更にコストを削減する努力をするのであれば、それは素晴らしいことだとは思いますが、「品質」と「ブランド戦略」のバランスも重要なのではないでしょうか?

是非皆さんも一度読んでみてください。日本企業はまだまだ頑張らなくちゃ!負けちゃ駄目ですよ!

タイトル危機の経営 ~ サムスンを世界一企業に変えた3つのイノベーション
著者:畑村洋一郎 + 吉川良三
ISBN:4062158035






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