2008年10月1日水曜日

韓国のGlobalビジネスの成長(日本も負けるな)

9/30/08(Tues) Global MBA @ Thunderbird (サンダーバード MBA)

今日のGlobal Strategy(グローバル戦略論)の授業はなかなか興味深い内容のケースを議論したので、簡単に紹介したいと思います。LG(LG Electronicsの方が有名かもしれません)という会社をご存知でしょうか。日本ではまだ馴染みの薄い会社かもしれませんが、韓国を代表するGlobal企業です。最初はプラスチック関連の会社から始まり、今は電機・電化製品メーカーとしてSonyやPanasonicと並ぶ、いや、商品によってはそれ以上のレベルのものも沢山ある一流企業です。

さて、このLGですが、成功の秘訣はBRICs(Brazil, Russia, India, and China)での成功だったと言っても過言ではありません。勿論、それ以前の発展途上国での成功もありますが、大きな市場を占めるBRICsでの成功は素晴らしいと思います。それをどう実現したのか?簡単に以下に纏めてみました:
  • 他のライバルが危機だと感じたときがチャンスと捉えていたこと。進出した先の国で経済危機があったり、SARSの問題があったり、他のライバル企業が縮小したり、ビジネスを休止することを決めるようなことがあった場合、LGは、逆にビジネスを強化していったそうです。そうすることで、市場を広げることができるだけでなく、SARSでは、ボランティア活動をしたり、コミュニティへの貢献を通じて、国・国民から評価されました。ロシアでは、数少ない「国家が認めた商品」として宣伝をして良い許可を得ることができました。チャンスをしっかりと捉えています。
  • その国(土地)の商品として可能な限りカスタマイズ対応したこと。インドでの例を挙げると、一部、地域に対しては、その地域特有の言語でのマニュアルを作成したりして、エンドユーザー(顧客志向)を常に意識していたこと。
  • コミュニティに対しての貢献、働きかけによるブランド認知及び貢献。インドではクリケットを、ブラジルではサッカーのスポンサーを通じてブランド認知度をイッキに高めることができました。国を代表するスポーツで大々的にブランドを売っていくことがかなり上手いと思います。また、インドの一部では、国の保険制度に限界があると判断し、工場内に医療施設を作り、従業員の健康状態を維持するよう努めたこと、また、その後は、家族も利用できるようになり、地元のコミュニティまでもが利用できるようになったとか。地域に対する貢献も重要です。
  • 地元の人材の雇用:BRICsにいるLGの殆どは地元採用が多いそうです。幹部の皆さんも大方地元の人がマネジメントをやっているようで、本社からの管理/ガバナンスはそれほどないそうです。(ここだけちょっと気になったので、さきほど教授にメールしたばかりなのですが、いわゆる、典型的なアジアの企業は、駐在員を送り込んで、本社が子会社をコントロールする傾向があります。そんな中、LGはどうしてそうしなかったのか、また、コントロールをしなくなると、将来的に、本社と子会社間で経営判断の選択の違いがでてくるのではないか、と考えてしまいました。日本の企業のようにガチガチに管理してしまうのもどうかとは思いますがね…)
他にも色々と議論した内容はありますが、今日のTake Away(持ち帰る重要ポイント)は以下の通りです。授業で聞いた話から、自分なりの考えもふまえて書いています。

独り言:
  • スピードを持った変革(マーケットが求めているコトに対して自らをかえていく)ができること:(言い方が少し失礼ですが)昔、韓国の電化製品は安いイメージがありました。ここで言う安いというのは、金額だけでなく、質も安いというイメージが大きくありました。実際にそうだったように私は記憶しています。しかし、先進国での失敗から学び、韓国企業は今ではGlobal Business Playerの一員です。日本の大手企業でさえかなわない分野も多々あると思います。LGを始め韓国企業の成功と失敗から私たち日本企業も学ぶことはたくさんあると思います。韓国企業の昔、成長期、現在(今も成長中ですが)の戦略、成功、失敗をリスト化し、どのように変革を遂げてきたかを知ることにより、我々も変わることの重要性を知ることができると思います。日本企業の<毒>は、自らを変革していくことが素早くできないことです。(縦階層の深さなどによる)意思決定の遅さや、過去の成功の余韻から脱却できないのか分かりませんが、昔のままでいる会社が多いことです。早々に脱皮することが重要です。日本の中だけで戦っていれば、あまり、危機感を感じることはないかもしれませんが、今の時代、ビジネスはGlobalで戦うようになってきています。意識していなくても、外資が参入してきます。意識していなくても、外国の投資家が入ってきます。海外からの特許の問題もあれば、人材の国際化も日常茶飯のことです。連携、提携、吸収合併、友好的・敵対的買収などもGlobalレベルで行われます。そんなスピードを伴った社会になってきているにも関わらず、LGや韓国企業のように自らを市場に求める方向に変革できない会社の成長は難しいものがあるかもしれません。
  • 日本での市場で勝つことだけでなく、Global規模での市場を意識しているか?エアコンといえば、パナソニックや日立、三菱、富士通ゼネラルなどがすぐに思いつきますよね?でも、これは日本の市場だけであって、Global規模で見た場合、LGがエアコン市場で2位だそうです。日本企業が上位10にどれだけ入っているかは分かりませんが、もう少し頑張ってもらいたいですね。勿論、簡単なことではありませんが、私が思うには従業員の意識がGlobal/国内とハッキリと別れている場合があることです。ケースでも感じたことですし、私が勤めていた会社、お客様の会社においても同じように感じましたが、Globalを意識しているのは、所詮(残念ながら)Global部門くらいでしょう。その意識をGlobal部門から、全社員へ浸透させることができれば、Global規模で戦っていくだけのパワーはついてくるものではないでしょうか。私は日本企業がGlobal市場で更に認知されること、利益をあげて、国家として負債が減り豊かな国になれることを期待していますが、それ以外にも重要なことが1つあります。それは、日本の「技術力」をGlobalにしらしめたい、ということです。こんな小さな国「日本」でも、技術力はトップレベルです。これは自信を持っていえると思います。その力を日本国内だけにとどめておくのではなく、Global規模で発揮することは日本という国のプレゼンスを高めていくためにも必要なのではないでしょうか。
  • 発展途上国への支援:CSR(Corporate Social Responsibility)が取り上げられてから結構経ちますが、発展途上国へに対してどれだけ先行投資をするか、どれだけ貢献・支援していくかによっても、会社の成長は左右されると思います。目先の利益のことだけを考えず、発展途上国の未来のため、また発展後の市場にいち早く参入できるようにするためにも、先行投資・貢献・支援は必要だと思います。国際統計インデックスにある、貧困指数や乳児死亡率をご覧になってもわかる通り、助けを求めている人たちは沢山います。彼らを助けるのは先進国の務めであり、Global企業の責任でもあると思います。と、色々と書きましたが、会社も慈善団体ではありません。企業であるからには、利益を追求していくことは当然必要です。私もそう思います。なので、発展途上国への支援はしながら、ビジネスの開拓も同時に行う必要があります。最近読んだ別の記事には、よくある誤解として、「発展途上国にGlobal企業が先行投資をすることは、リスクが高すぎると思う人が殆どだが、最新の調べでは、リスクはあるものの、先行投資・貢献をすることはその会社にとって十分にメリットがある」と書いてありました。
  • 真のGlobal Playerになるための相談を惜しみなくしていること:LGもそうですが、Thunderbird Global MBAにも定期的に社員を送り込み、短期間ではありますがGlobal MBAの勉強をさせているようです。また、Thuderbird Global MBAの教授もGlobal企業のLGに行ってアドバイスをしたりしているそうです。他の教授の話を聞いていても、色々な企業からの要望の下、アドバイスやコンサル的な仕事もしているそうです。日本の企業はGlobal Playerになるためにどのような努力をしているでしょうか?(詳細はこの場では書けません)
これ以上長く書いてしまうと、、、きっともう皆さん読んでくれなくなるでしょうから、今日はこの辺で。

誤字脱字があると思いますが、、、飛ばし読みしてくださいネ。

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