2009年12月29日火曜日

Global MBA的: 価格競争にだけは突入するな (Price Competition)

12/29/2009(Tues) Global MBA@ThunderbirdMBAを活かせ

「緩やかなデフレ状態に突入…」といったニュースが以前に報道されていましたが、その影響がじわりじわりとでてきているのか、よく「激安」や「値引き」というキャッチフレーズを外で見かけることがあります。あの牛丼屋も更に値下げするとか・・・?私達消費者にとってはこの不景気で極力お金をつかわない傾向にある中、こうした値下げは大歓迎ではありますが、しかし、企業側にとっては売上が伸びても利益が下がる一方で採算が合わないケースも多々発生してきているのではないでしょうか。Thunderbird Global MBAでも、価格競争に突入するのは最終手段だと言っていましたが、今の状況を見ると、途中工程(戦略/戦術)を飛ばして、いきなり価格競争に入ってしまった、、というか、入らされてしまったように見えるのは私だけでしょうか。

そうはいっても、他に何ができるのかと色々と考えた上での判断なのかもしれませんね。でも、本当にそうでしょうか?今の不景気ではコンサルタントを雇うほどの予算が無いかもしれませんが、ご自分で本屋さんにでもいって、色々と調べてみてください。販売価格をいきなり下げるのではなく、社内のコストはどこまで徹底的無駄を無くすことができていますか?人件費をいきなりきるのもあまりお勧めしません。こんな時こそ一致団結して頑張る必要があります。私は企業にはある意味社会貢献という責務もあると思っています。簡単に(いや、苦渋の決断なんでしょうが)人を切ってはなりません。それを決行するくらいならば、そのリストラ対象者を集めて、解雇をする前に彼らにコスト削減について議論してもらって、社内の無駄を洗いざらい挙げてもらってください。現場の方が一番分かっているはずです。他にも、取引先の見直しも重要ですよね。今までの付き合いも重要ですが、コストカットできる部分はできる限りします。そうしないと、自分の会社が生き残ることができないわけですからね。

コストを徹底的に、網羅的にカットできた後に、初めて値引きをやってもいいかもしれません。その頃には、徹底的にコスト削減できているわけですから、今まで以上には、利益がでるかもしれません。但し、これは、特定の人や部門がやるのではなく、全社が同じ思いでやらないと上手くいきません。トップ主導で、皆に(命令ではなく)協力してもらうよう働きかけることが重要です。皆をモチベートさせることはトップの役目でもあります。命令されて渋々動くより、能動的積極的に会社のために動いてくれるのを比較すると、結果は一目瞭然ですよね?!

ある程度内部のコストの問題が片付いたら、他にもマーケティングの4Pだったり、戦略ポートフォリオの建て直しだったり、お客様満足の向上に努めたり、、、とやることは山積みです。それらがキチンとできていないからこそ、並の会社は今のような状況に陥るのです。つまり、市場に影響(波)に大きく揺らされてしまうのです。逆に徹底して基礎的なことに取り組むことができていれば、「人を切る」や「価格値下げ」に即移行する必要はなかったのではないかと思います。

価格競争に陥らないように十分に注意してくださいデフレだからその内価格競争に突入してしまう、という一般論に惑わされてはいけません。それは、努力さえすれば回避することができると私は考えています。価格競争以外の付加価値が提供できれば、価格競争を意識することすら必要なくなります



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