2008年9月26日金曜日

日本の教育制度について(私の想い)

9/25/08(Thurs) Global MBA @ Thunderbird (サンダーバード MBA)

技術の進歩って凄いですよね!YouTubeや動画サイトのお陰で日本のドラマをアメリカにいながら遅れをとらないで見ることができます。そんな中、私が注目しているのは、学校/教育に関するドラマです。Thunderbird Global MBAにきてからも日本の教育との違いを感じさせられますが、ドラマ、新聞、インターネットを通じても今の日本の教育制度や考え方について、真剣に考えさせられます。

私は日本の学校には小1~小5までと大学4年間しか行っていませんが、私の頃はまだ「お受験」という流行は進行していたものの、ピークのときではなかったと思います。学歴社会は、私の両親が社会人になった頃から既にあったことを聞いたことがありますが、いつしか「受験」を意識しすぎる社会になってしまったと私は思います。

大学の上位校に無理して受かる必要はない。受験が全てではない、という声も聞きます。私もそう思っています。しかし、残念ながら、一部の企業ではまだ大学の名前を見て採用する企業もあるそうです。一見合理的のようでそうでないように聞こえますが、自分が担当するお客様に対して自分の上司が「新しく御社を担当することになった○○君です。○○大学のMBA出身です」というだけで、お客様も安心する、という例を聞いたことがあります。悔しい話ですが、きっと存在することなのでしょう。昔の自分が同じ立場であれば、A大学MBAとZ大学MBAの学生が来た場合、直感で、大学のレベルで比較をして、ある程度先入観で評価してしまっていたと思います。

しかし、こんな学歴社会に完全になってしまい、「受験」を意識し過ぎる社会になってしまったことはとても残念に思います。学歴社会を無くそうと、企業も大学名を聞かないで面接をするようにもなっているそうですが、まだ少ないでしょう。中学高校、更には小学校や幼稚園は、いつしか本来の学年の授業や精神面での教育をしっかりと教えるのが基本だったと思うのですが(いえ、きっと今でも教えていると思いますが…)最近は、「受験」を学校側も意識し過ぎているのではないでしょうか。私立の中学、高校が良い、あそこの中学、高校からは、○○大学に何人も行っているという評判だけが世間では騒がれるようになってきます。子供は、受験の勉強をしに学校に本来行くわけではありません。しかし、社会がそう変えてしまいました。社会が両親をそのように変えてしまいました。良い大学に行かせることが、子供にとって最善の良い選択肢だという考えになってきました。良い大学に行かせてあげたいという思いは間違ってはいません。但し、私がここで申し上げたいのは、皆(社会・世間)がそのように強く思うようになってきたから、学校側も受験を意識し過ぎているのではないでしょうか?その代わりのトレードオフとして、「人間らしさ」「道徳」「思いやり」「考える力」「コミュニケーション能力」「発想力(アイデア)」の教育がなくなってきたのではないでしょうか。そもそも、そういった教育自体はないかもしれませんが、「受験」を意識し過ぎるがために、学校内にそういった本来子供に教えていくべき基礎的なことが教えられる校風にもうなっていないのではないでしょうか。

新聞、ニュース、インターネットで子供による事件が多発していたり、精神的に病んでいる子がいたり、大人になりきれていない子がいたり、そして彼らが大人になりきれていなくて事件を起こしてしまったり、大人になりきれていない子が親になって子供に何を教えてあげられるのかがわからないような話を聞いたりすることは悲しいくらい多くあります。

ドラマ(フィクション)であっても考えさせられますし、勉強になります:
女王の教室体罰は許されないことですが、小学校教師を務める阿久津先生(天海祐希さん)がドラマで子供達にいっていることは綺麗ごとは多いですが、素晴らしいことばかりだと思います。受験を意識した学校にいると、きっとこのような教えはないでしょう。小学校だから、まだ受験に対する教えは少ないかもしれませんが、(受験勉強以外にも)小学生が本来学ぶべきことがたくさんあると私は思います。
太陽と海の教室高校教師を務める櫻井先生(織田裕二さん)の教えも素晴らしいと思いました。受験勉強も大事な時期ですが、彼ら(高校生)にとって、その時にしか経験することができないこと、その時でしか学ぶことができないことを織田さんは教えていたと思います。他の教師も最後の方に影響を受けて変わってくるわけですが、それまでは、「受験」を意識した学校でした。

私は受験を否定しているわけではありません。私も大学に受験をしましたし、Global MBA留学をするためにも、海外の大学の受験をしてきています。なので、「受験は駄目」とは言いません。但し、受験に100%打ち込む前に、君たち学生(もしくは、ご両親が読んでいる場合は、お子さん達)大人になる前に学ぶことはまだまだいっぱいあるはずだと思います。そんな状態で受験をして、大学に入って、就職をしても、大人になりきれていないので、大人の社会にいざ入ってみて挫折してしまいます。立ち直ろうにも、うたれづよさがなかったり、学生の頃、本来学ぶべき「人間らしさ」「道徳」「思いやり」「考える力」「コミュニケーション能力」「発想力(アイデア)」などをしっかりと学んでいなかったことによって、なかなか、挫折してから立ち直れなくなったりするケースも多々あると思います。そうなると、引きこもり、心の病、突発的に事件を起こしてしまうことなどが増えてしまうこともありますし、社会人の仲間に入ろうにも入れなく、いわゆるフリーターになってしまう人も多いと思います。このフリーターも聞こえは格好良いと思う人もいるかもしれませんが、一度限りの人生を無駄にしてしまっています。少しキツイ言い方かもしれませんが、社会から、大人の世界から逃げているとも言えてしまいます。フリーターが増えてくると、国民年金を支払わなくなる人が増えて、年金問題にもつながるし、国の負担も色々な意味で高くなります。「豊かな国日本」とはほど遠くなってきます。高齢者社会になっていく今後、医療費が高くなることは目に見えています。そんな中、フリーターの人たちも苦しい思いをしますし、子供を持ったら、更に苦しい思いをするでしょう。いや、子供を持つこと自体できないと判断して、それが更に少子化を推し進めるかもしれません。

それもこれも私から言わせると、小さい頃の教育に問題があると思っています。ここで言う教育は学校を中心に言っていますが、一方で両親の教育も重要です。まず、学校の教育ですが、アカデミック的な教育も当然必要です(日本の学力は年々落ちてきています)が、それ以外の部分も必要だということです。子供は大人に成長していきます。体は食事や運動をしているとそれなりに育ちます。頭も勉強をすると個人差こそありますが、それなりに発達します。そのように考えると、「心」の教育もしっかりとしないと、大人になったときに、大人の「心(マインドを含む)」になれているでしょうか?この辺の教育が日本の教育制度ではかなり欠けていると感じます。小学校5年生でアメリカの学校に転校した時、一番驚いたのは、勉強熱心というよりは、皆で色々と考えたり(想像力)、会話をしたり(コミュニケーション能力)、道徳について勉強したりという授業が結構多かったと今でも覚えています。

学校だけの問題ではありません。両親にも問題はあると思います。これは色々と考え方があるでしょうし、偏見と思われるかもしれませんが、私は、基本的には母親は極力子供の近くにいるべきだと思います。どうしても共働きをしないといけないという事情もおありでしょう。そんな場合は、子供が学校にいる間だけ仕事をするようにした方がいいと思います。子供との会話の時間は必ずとるべきです。子供と一緒に食事をする時間はしっかりととるべきです。子供を叱ってやること、褒めてやることもしっかりとできるように、子供の近くにいてあげることです。それができない場合は、週3,4回でもいいです。少しでも子供の近くにいてあげることです。最初にも書きましたが、これは事情によって、考え方が違うと思います。離婚された家庭であったり、片親の場合であったりと状況は皆さん違うと思いますただ申し上げたいのは、子供は親を見て育ちます。親が近くにいない場合は、誰を見て大人へと育っていくのでしょうか。

私がこのように日本の教育制度について真剣に考えるようになったのは、Thunderbird Global MBAにきてから、ケースを通じて、日本のレベルが低下してきていること、また、貧困の国で、毎日を必死に生きている難民の子供達が自分達の将来の為、家族の為に必死に勉強している記事を読んだり、他にも同様の話を聞いてからです。私自身誰かと比較することはあまり好きではありません。自分の敵は常に自分だと思っています。しかし、この教育制度を考えた場合、どこかと比較をして、日本の教育が、日本の子供達のレベルが毎年下がっていっていること、また、大人になりきれていないことをしらしめていくこと、気づかせることが重要なんじゃないかと考えるようになりました。

戦後の日本は凄まじい力で回復・復活してきました。あのときにあった起爆剤と同じものは必要ないですが、それと同じくらい強い起爆剤がないものか・・・。また色々と考えてしまいます。


偉そうに色々と書いてしまいましたが、コメント等ございましたら、お気軽にどうぞ。

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