最近、毎日のようにニュースにでている米ビッグ3ですが、「政府に5兆5000億円の低利融資を要請」するくらい経営がきつくなっています。でも、これって今回の「不景気/経済低迷」だけがもたらしたものなのでしょうか。
米ビッグ3救済、リストラ圧力一段と 民主内にGM会長退陣論
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081208AT2M0800908122008.html
GM会長に辞任圧力=後任にゴーン氏の可能性も―米紙
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081208-00000134-jij-biz
例えばGMを例にとって考えてみると、2005年の決算時に最終損益を9900円の巨額赤字としています。経営側もリストラなどを進め、経営体質をかえようと努力はしていたようですが、結果が今回のビッグ3社による5兆5000億円の要請です。米政府以外にもカナダ政府にも支援要請をお願いしているとか。勿論、経営責任は問わされるでしょうが、経営責任だけではなく、チェック(監視)機能はしっかりと作用されていたものなのでしょうか。ここまで悪化する前に何か手を打つことはできなかったのでしょうか?今回の件から他の企業は何を学ぶことができるのでしょうか?私は会社のチェック機能の強化が必要だと思います。リスク・マネジメントや経営戦略室などもそれに入ると思います。リスクの精査が甘かったのではないでしょうか。戦略の立て方が甘かったのではないでしょうか?将来予測はしっかりできていたのか?新しいトレンド/環境にも順応できるような戦略をたてていたのか?マーケットを読んでいたのか?戦略やマーケティングの基礎を学んだ私や同級生には色々と疑問に感じることが見えてきます。また、役員たち(特に会長とCEO)の権限が強すぎたのではないでしょうか?リーダーの素質の1つとして、パワー/権限があること、とも言われていますが、彼らの場合は強すぎて、周りが何も言えないというような環境を作ってしまっていたのではないでしょうか。私が尊敬する数多くのビジネスで成功を収めている当校のヒスリッチ教授(アントレ系のドン)が授業でよくCEOや役員に対してアドバイスやチェックしてくれる人たちも必要だということを言っていましたが、そういった人たちはいたのでしょうか。仮に私がそのチェックやアドバイスをする人たちであれば、自家用ジェットや巨額の給料は即カットすることを勧めていたことでしょう。リストラだけを断行しても解決できるものではありません。リストラは雇用機会を失わせてしまうので、最終手段とすべきです。それ以前にできることは沢山あったはずです。それができていなかったからこの段階になって政治家やオバマ次期大統領からもリストラをしないと駄目だ、と言われているのではないでしょうか。
勿論、こういうことは、事が起きてからだと色々なことが言えてしまいます。私は決して評論家のつもりで言っているわけではありません。私は未然に防げることが色々とできていたにも関わらず、それができていなかったことについて言及しています。
(独り言)
こういうところは、MBA生にとってはかなり強みでもあるんですよね~。
経営全般を基礎からじっくりやっているので、企業がどこの部分をしっかりやっていないか、本来はこうしたほうがいい、この場合はこうしたほうがいい、ということがある程度は見えてきます。また、それがどうしてなのかも、客観的に、数字でも説明ができるようにはなっているはずです。この時期、MBA生を積極的に採用することも逆に企業の生き残りやチェック機能強化という意味では重要なことなのではないでしょうかね。
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